第15回グローバルEdTechユニコーン28社まとめ
新型コロナウィルス感染症の拡大とともに、EdTech関連サービスへの需要が拡大した。これを背景に、2021年上半期は、過去最大だった2020年をさらに超えるペースで、EdTechスタートアップによる資金調達が行われた。注目すべきは、「ユニコーン」(創業10年以内で企業価値が10億ドルを超える未上場企業)の急激な増加と、資金調達の規模の大きさである。 2020年上半期末に19社だったEdTechユニコーンは、2021年7月時点では28社にまで増加した。2021年1-7月の間に、10社が新たにユニコーンの仲間入り、2社がIPOを果たした(注1)。
また、直近18か月間では、1億ドルを超える資金調達である「メガ・ラウンド」は58回実施され、500万ドルを超えるラウンドは3,000回以上実施された(注2)。世界各地でEdTech企業に対する投資が活発に行われていることが見て取れる。
ここでは、EdTechユニコーンの中でも最も企業価値の高い3社の直近の資金調達について紹介したい
- Byju’s
- 2011年創業、インドのオンラインチュータリング
- 2021年6月のSeries Fにて、UBS Group、Blackstoneなどから3.5億ドルを調達
- このラウンドで評価額は165億ドルに達し、インドで最も企業価値の高いスタートアップとなった
- Yuanfudao
- 2012年創業、中国のオンラインチュータリング
- 2020年3月〜10月に計32億ドルを調達したSeries Gの延長として、2020年12月に追加で3億ドルを調達
- 2020年10月時点の評価額は155億ドルに達し、Byju’sに次いで世界第2位の企業価値を持つEdTech企業となった
- Zuoyebang
- 2015年創業、中国のオンラインチュータリング
- 2020年12月のSeries Eにて、Alibaba Group, Tiger Globalなどから16億ドルを調達
- 2020年9月時点の評価額は100億ドル
これらの大規模な資金調達を背景に、EdTechスタートアップによる資金調達総額は、2021年上半期だけで100億ドルに上った。2020年には年間で161億ドルを記録しており、これはEdTech領域の資金調達総額としては過去最大であったが、2021年はそれを優に超えるペースであることがわかる(注2)。
また、EdTechユニコーンのIPOも今年は活況だった。2021年3月に上場を果たしたCoursera(米国)を皮切りに、2021年6月にはZhangmen(中国)が上場、Duolingo(米国)は2021年6月にIPOを申請した。
現在存在するEdTechユニコーン28社の国別内訳は以下パイチャートの通り。米国、中国、インドで9割近くを占めている。
世界中でEdTechスタートアップへの投資が活況化しているが、EdTechユニコーン28社の中に日本企業は見当たらない。Non techも含めた教育市場全体で見れば、日本は米国、中国に次いで3位の市場規模と言われる国であり、今後日本勢も台頭してくることを期待したい。
注1) https://www.holoniq.com/edtech-unicorns/
注2) https://www.holoniq.com/notes/global-edtech-funding-2021-half-year-update/
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