第26回教育最前線 – 国内の塾における EdTech の価値事例「生徒インタビュー」編「高校内容を先取りする中学生3」

日本国内の教育においてEdTechはどんな価値があるのか、生徒さんにインタビューをしながら探っていくこちらのシリーズ。第3回目も「高校内容を先取りする中学生」にEdTech研究所・所長の森本がお話を伺いました。今回は北海道の各地域に教室を展開されている(株)れんせいの集団指導部門「練成会」に通い、atama+での自学自習で集団カリキュラムよりもさらに先を進む3名の生徒さんにご協力いただきました。


畜大練成会 公立中3年生Oさん
難しくも楽しい高校数学に挑戦中! 複雑な計算過程は「書いて」思考を整理

インタビューのために早く教室に来てくれたOさん

―― 高校内容の先取りをしようと思ったきっかけを教えてください。

2歳年上の姉がいまして、 姉の高校数学のテキストを見たことがきっかけです。2次関数の問題を見て、「私も解いてみたい」と思いました。それをきっかけに、中学内容を終わらせた後に、高校数学の先取りを始めました。

―― いつから高校数学の学習を始めましたか。

 中学2年生の9月に中学数学を終わらせ、そのままatama+で高校数学に入りました。

―― 高校数学は難しくありませんか。

小学4年生から練成会に通っているのですが、その時に「学校では習わないような難しい問題を解く楽しさ」を感じました。その時から、難しい問題だからこそ、できた時の達成感がある、と考えるようになり、難しいことと楽しいことが両立するようになりました。 当時はつるかめ算などでした。今は高校数学に挑戦しています。

―― 高校内容の数学を学習するにあたって、どんなことに気を付けていますか。

計算の過程を書くことです。中学数学に比べて、高校数学は複雑なので、自分の思考の整理にもなりますし、間違ってしまった時も振り返るために計算の過程が書いてあることが必要です。中学数学はそこまで書かなくても解ける問題もありましたが、高校数学ではしっかり書いた方が学習が進みます。

数学を担当している森下先生からノートの取り方についてインタビューを受けるOさん

―― 塾や学校の授業ではどんなことを意識していますか。

中学数学の問題だったとしても、高校数学の知識を使うと別の解く道筋が見えてきます。 一つの問題に対して、複数の道筋を考えて、どの道筋が一番良いかなと検討してから問題を解くようにしています。それでも学校の授業では時間が余ってしまうこともあるので、時間を無駄にしないように授業で指示された問題以外の問題も解くようにしています。

―― 数学以外はどうでしょうか。

数学ほどではないですが英語の先取りもしています。中学英語に比べて高校英語は文法が複雑になります。分からなかった文法の意味を一つ一つ理解しながら進めています。数学の難しい問題のように、難しい文法が身につくことは楽しいので前向きに取り組めています。
atama+の理科も使えるようになったので、理科の先取りもしてみたいと考えています。姉からは高校物理が難しいと聞くので、物理に挑戦してみたいです。

―― 将来の夢や、希望している進路を教えてください。

今はまだぼんやりとですが、医学部に興味を持っています。難しいとは聞きますが、難しい問題には楽しさがあると考えて取り組んでいけたらなと思っています。


Oさんのatama+数学タイムライン
・累積127時間学習(内、高校数学は63時間)


苫小牧練成会 公立中 2年生 Nさん
将来は海外で働いてみたい! シャドーイングしながら、高校英語を学習

授業を担当している吾妻先生と、お話をしながらインタビューに答えてくれたNさん

―― 高校内容の先取りをしようと思ったきっかけを教えてください。

特に英語で高校内容の先取りを進めています。きっかけはある日「やってみよう」とふと思って挑戦してみたことです。挑戦してみたら、講義を聞いたり、解説を読んだりしながら高校内容でも進めることができました。それをきっかけに高校内容の先取りを行っています。

―― 中学内容はどのように学習したのですか。

初めてatama+を使えるようになった時、最初の2週間で中学内容をどんどん進めました。自分のペースでどんどん進むことができるので、やる気も出ました。

―― 高校内容の英語は難しいと思いますが、なぜ頑張れるのでしょうか。

中学英語に比べると複雑なことも多いので難しいのは間違いありません。でも将来を考えると英語を使う可能性もあるので「もっと上手になりたい」という気持ちで先取りに取り組んでいます。

―― 高校内容の英語を学習するにあたって、どんなことに気を付けていますか。

問題の英文をシャドーイングしながらatama+を進めています。
atama+の高校英語は中学英語と比べて、必要な単語が圧倒的に多くなったこと、英文の音声が速くなったことが大変でした。

―― atama+を音読しながら進めているのですか?

はい、そうです。正解・不正解に関係なく、問題を解いた後は全て音読しています。まずは強弱・切れ目・リズムを予想することと、知らない単語を調べることから始めています。
自分で何度か音読した後は、atama+の音声を聞きます。そこで自分の予想したリズムなどとの違いを確認した後は、音声に合わせてシャドーイングをしています。中学英語と比べると高校英語は速度が早いので、大変ですが上達しやすいので好きです。発音や会話も上達したと感じています。

音読をしながらatama+で高校英語を学習するNさん

―― 塾や学校の授業ではどんなことを意識していますか。

塾の授業で1回目の復習、学校の授業で2回目の復習というように復習だと思って学習しています。もちろん初めて知る表現もありますし、「身についてきた」と実感できる時間でもあります。自分で最初に学習するときは「分かる」くらいの感覚なのですが、「慣れた」となると良いんだろうなと思っています。今は練成会の授業で「慣れた」と思えることが多いです。

―― 将来の夢や、希望している進路を教えてください。

将来は海外に行ったり、海外で働いたりしてみたいと考えています。そのために、大学では留学できたらなと思っています。大学で留学しようと考えると国立大学が良いかなと思っていて、今は一橋大学を志望しています。


Nさんのatama+英語タイムライン
・累積121時間学習(内、高校英語は31時間)


函館練成会 公立中3年生 Iさん
いまから大学受験を見据えて学習。塾や学校の授業は復習として大事に受講!

終始にこやかな雰囲気で応じてくれた I さん

―― 高校内容の先取りをしようと思ったきっかけを教えてください。

もともと、小学生の時から算数が好きで、将来は数学を使うような仕事に就きたいと考えています。なのでどんどん先に進みたいなと思っていました。高校内容に触れたのは兄のテキストだったと思います。楽しいなと感じました。

―― 高校内容の数学は難しいと思いますが、どのようなことに注意されていますか。

atama+で先取りをしているのですが、「その時、自分が分かった時のポイント」を「後から自分が見て分かるように」書くようにしています。講義や解説で出てくる「重要なポイント」ももちろん大切だと思うのですが「自分が分かった時のポイント」を残すようにしています。

―― 塾や学校の授業ではどんなことを意識していますか。

atama+で予習をしているので、練成会の授業は復習です。分かっていることでも、速く、正確に解けるようになるためには復習も大切だと思っています。練成会の授業では「どう解くのだろう」という問題に出会えることもあります。最後まで解けない時は悔しいですね。
学校の授業では、先生も「やってて良いよ」と言ってくれているので、高校入試の問題など、自分で持って行った問題を解いています。


―― 数学以外はどうでしょうか。

理科の先取りをしてみたいと考えています。難しい問題を解くのが好きなので、今は物理に挑戦してみたいと思っています。

―― 将来の夢や、希望している進路を教えてください。

大学受験を今から意識するようにしています。今も大学入試の共通テストや各大学の問題に興味があり、見てみたりしています。もちろん難しいのですが、色々な問題があって面白いなとも思っています。


Iさんのatama+数学タイムライン
・累積221時間学習(内、高校数学は145時間)


編集後記 ~3名の印象的な共通点~

今回、公立中学校に通いながら高校範囲を先取り学習する3名の生徒にインタビューを実施しました。話を聞く中で、いくつか印象に残ったことがあります。
1つめは、将来のことを意識しているということです。医学部に行きたい、留学したい、数学を使う仕事に就きたい、など今時点で考えている将来の希望進路を語ってくれたこと、そこから逆算して今の学習を行っていることが共通していました。
2つめは、先取りをした後に、授業も大いに活用していることです。今回は練成会にて集団指導形式の授業を受けている生徒さん達でした。先取りをしていても、復習など授業には授業の意義を感じて受けていると話してくれました。
3つめは、学習方法を意識していることです。正解すれば良いのではなく、思考の過程を書いたり、音読したり、自分なりの気付きをまとめたり、どの生徒さんも工夫しながら学習を進めていました。先取りは常に未知との遭遇ですから、「分かる」後に「できる」ようになる工夫を自然と行うようになるのかもしれません。
生徒さんの学習状況によって学習内容を個別最適化し続けることができるタイプのEdTechを使うと、分かるならばドンドン先に進んで行くことができます。先取りをしている生徒さんに伺った学習方法やモチベーションについて、学習や指導のご参考にしていただけましたら幸いです。
atama+EdTech研究所では、EdTechを活用した新しい学びと教育界の進化について、今後も研究してまいります。

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2023年7月21日