第27回教育最前線 – 国内の塾におけるEdTech の価値事例「俊英館Dreaven」編
日本の教育において、これから EdTech はどんな価値を持ちうるのか? 日々子どもたちに接しながら、実践の中で EdTech により教育の価値を高めている塾が数多く存在しています。それらの教育関係者のみなさまにインタビューしながら EdTech の可能性を探っていく本シリーズ、第7 回は、1981 年に創立し、関東を中心に多くの教室を展開する「株式会社俊英館」で2020 年3 月から運営されている新ブランド「Dreaven(ドリーブン)」をatama+EdTech 研究所の森本が取材させていただきました。お話を伺ったのは東京都世田谷区の「Dreaven 松陰神社駅前校」都丸亜絵莉教室長です。
「自ら成績を上げられる子を育てる」をテーマとして東京都世田谷区に2020 年に新ブランド設立。小中高生が同一空間で、休み時間は賑わい、授業時間は集中して学習。
株式会社俊英館 Dreaven 松陰神社駅前校 都丸亜絵莉教室⻑
―― 本日はどうぞよろしくお願いします。まず、Dreaven の概要について教えてください。
Dreaven は「自ら成績を上げられる子を育てる」をテーマにした「個人最適化学習塾」です。俊英館として2020 年3 月に新ブランドとして立ち上げました。集団授業では自分に合った学習ができなかったり、受け身の学習になってしまったりする生徒さんや、個別指導では授業料が高く教科ごとの学習になってしまったり、先生との相性に左右されてしまったりするような、生徒さん”個”の課題に対して根本から解決したいと思ってデザインしています。
めざしていることは、「自分の夢の実現に向けて自ら行動できる人」になってくれることです。「Dreaven」というブランド名も夢を表すDream と、意欲を表すDrive を組み合わせた造語になっています。そのためには、①できる喜びや達成感を感じ、勉強が楽しくなることと、②コーチによる承認で自己肯定感を得て成績向上していくこと、③成績向上することでまた達成感に繋がる、この3 つが大切だと考えています。
―― 「自分の夢の実現に向けて自ら行動できる人」の育成は教育における理想形の1つだなと思います。対象学年や授業の形式について教えてください。
小学生・中学生・高校生を同じ校舎の同じ空間で受け入れています。時間割も同じで1コマ50分で運営しています。小学生は週2コマ・4コマ・無制限の3コースがありますが、中高生は通塾回数無制限のコース設定です。
小学生から高校生までが同じ空間で同じ時間割で学習をするというと、驚かれる方もいらっしゃるのですが、休み時間は学校も学年も関係なく仲が良い自由で賑やかな時間です。しかし授業数分前になると全員が席について何となく静かになり、授業中は筆記用具を動かす音が聞こえるような静かさになります。
Dreaven 松陰神社駅前校 学習スペースの様子
―― 小学生・中学生・高校生を同一空間で指導しながら、休み時間は賑わい、授業時間は
集中しているのはスゴイことですね。どうしてその状態になっているのでしょうか。
その時の声掛けや指導というよりも、教室の文化、つまり生徒さんが作ってくれるものだなと思っています。Dreaven も4 年目になって、文化が随分定着してきたなと思います。授業では座る席は自由で、そこを講師達が回りながら声をかけていくスタイルです。常に受験学年が教室にいて、その姿を1、2 年生が見ています。高校生の醸し出してくれる空気感を中学生も見ています。様々な学年の生徒さんが一度に教室にいることで、見て真似たり、少し先の未来を見たり、成長が加速している部分が多いのだと感じています。2023 年の8 月時点では小中高の割合は20%:45%:35%となっています。
生徒さんのためになることを最優先に。
教えることを手放し、本気で生徒さんに接することで勉強の価値を伝えていく。
―― 生徒さんが文化や雰囲気を生んでくれているのは素晴らしいことですね。そのために、何を意識して接しているのでしょうか?
生徒さんは最適化された学習コンテンツで勉強していきますから、講師の役割は生徒さんが自分で学習に向かう姿勢をサポートすること、達成した時の承認による自己肯定感など、カウンセリングやコーチングと言われる分野が重要になります。怖がらずに教えることを手放し、教室長が意識すべきことは全力で生徒さんと接していくこと、生徒さんのためになろうと思って活動することだと思っています。こちらが本気で接することで、生徒さんに勉強することの価値が伝わっていくのだと考えています。
―― 例えばどのような機会でどのようなお話をされているのでしょうか。
ではガイダンスを例にご説明します。ガイダンスでは私が考えていることを、自分で作った資料を使い自分の言葉で伝えています。
毎回同じことを話さないようにちょっとずつ変えているのですが、例として今年の5月に行ったガイダンスの内容をご紹介します。まず理念の背景を伝えるために、日本の人口推移の話、その社会で求められる力や言語能力の変化を統計データなどを使って話しました。続いて、経済産業省の未来人材ビジョンから抜粋して、日本の競争力の落ち込みや社外学習を行っていない人の割合が海外に比べてとても大きいことに触れ「皆には必要なことを実行できる大人になって欲しいから、その力を今のうちに身に付けよう、人生100年の時代なので人生を豊かにしていこう、そのために今できることを考えよう」という話をしました。
このように理念とその理由の話をした後に、知っておいて欲しい入試情報、勉強方法、進路選択、保護者の方々の役割等についての話をしています。自分で資料を作成するのは大変だと思われるかもしれませんが、説明もしやすいですし情熱も込めることができるので、結果として時間対効果は大きいように思います。急がば回れですね。
普段から伝えていることと変わらないのですが、このように定期的にしっかりと伝える機会を作っています。立ち上げ当初は使っている教材やEdTechの良さをアピールしていたこともあるのですが、上手くいきませんでした。そこで「どんな大人になって欲しいのか?」というDreavenの理念を伝えるようにしたところ、共感していただける方が増えたのです。この理念を伝えることはとても大事なのだなと実感してからは今のように、Dreavenを作った理念を「なぜその理念で指導しているのか」という理由や背景とセットで話すようにしています。
5⽉に毎週⾏ったガイダンス資料の表紙。OUR PHILOSOPHYの後には「なぜそう考えているのか?」という説明資料が並んでいました。
―― ガイダンスの資料を拝見すると30ページ程、1つ1つのページのメッセージも伝わってきます。これだけの資料をご自身でご用意されてお話されているのはすごいですね。確かに熱量が伝わってきます。
Dreavenのモデルは教室長が直接生徒さんと関わる時間が他の運営モデルよりも長くなりますから、教室長の熱量を伝えることはとても大事だと思っています。そのために自分でも色々な勉強会に出て知識や考え方をアップデートし続けています。こういったことが、何より生徒さんのためになりますし、私も多くの生徒さんと深く話せるのでやりがいを感じる毎日です。生徒さんには「私一人が勉強してきて、あなた達に伝えて、あなた達が友達に話してくれたら、それで何十人もの人生が変わる。なので私は勉強している」と伝えています。私がインプットを続ける理由をストレートに生徒さんに伝えることで生徒さんにも伝わると思うのです。生徒さんからは「勉強ってステキだね」「先生、勉強してきてくれてありがとう」と言ってもらえます。
それぞれの教室長さんの色があると思いますが「なぜ学ぶのか?」を伝えるために「社会の情報を伝えてくれて、人生を一緒に考えてくれる人」という立ち位置が私の特徴だと思っています。「日常生活では出会うことのない、ちょっと変なこと、でも自分のためになることを言う大人」という存在なのかもしれません(笑)。
―― そういったご活動があって生徒さん、保護者の方々との会話が深まっていくのですね。一方で業務量が増えすぎたりしないのでしょうか。
私は残業をしない前提で生徒さん・保護者の方々に価値を届けていくことを意識しています。私自身が仕事を全力でやりながら趣味も楽しんでいることを生徒さんにも感じてほしいですし、今後の校舎拡大のために後輩も育成しています。先輩が長時間労働で運営していたら後輩も辛いですよね。
そのために意識していることもあって。例えば先ほどお話した色々な勉強会への参加も期間とテーマを決めています。今月はインプットを徹底的に行う期間、今月はインプットを止めてアウトプット、などテーマを決めて思考を分けています。例えばアウトプット月間とした5月は毎週、外部参加もOKな保護者の方々向けガイダンスを行いました。
こういった時間の使い方ができるのもEdTechを使って教えることを手放せているからでもあると思っています。「EdTech自体をどう使うか?」ということも大事なのですが、「EdTechがあるのだから自分は何をしよう?」という視点もとても大事なのでしょうね。人は人にしかできないことをやっていきたいと考えています。
日常的な生徒さんとの関わりの結果、口コミで新規入塾が増加。中学生から高校生への継続率は100%を達成。高い満足度と持続性を達成するモデルとして校舎拡大へ。
―― そうやって立ち上げてから今まで積み重ねられてこられたのですね。大変なこともあったと思うのですが、2020年3月からの歴史や象徴的なエピソードをお聞かせください。
Dreavenは会社にとっての新規事業でした。色々と準備をして「ようやく開校だ!」というタイミングで2020年の3月、コロナ禍に直面したのです。初めは集客も苦労しました。とにかく来てくれている生徒さんを大切にしました。通ってくれている生徒さんが居心地良く夢に向かって歩み続けられる空間であろうと。初年度こそ苦労しましたが、おかげさまで年々生徒さんは増え続け、現在は60名ほどの生徒さんが通ってくれています。
「自立して学習できる人になろう!」というメッセージを生徒さんもポジティブに受け止めてくれているなと感じています。こういった学習姿勢が自然と身についていきますので、例えば小学生は少なくとも中学生になる前に1学期範囲の予習は絶対に終わらせています。「うちの子は本当にやる気が無いんです」と悩まれていた保護者の方々がいらっしゃったのですが、その生徒さんはDreavenで勉強することで「周りの生徒さんがやっていないことを自分はやっているんだ」と自信に繋がったそうなんです。その結果、勉強だけではなく部活にも意欲的に取り組んでくれるようになったと感謝のメッセージを頂きました。まず自信を持つことができて、自己肯定感が高まり、やる気に繋がってくれたのだと思います。
こういった方々が口コミでDreavenを紹介してくださることも増え、嬉しく思っているところです。新規入塾のうち3人に1人以上が口コミやご紹介での入塾です。また、継続率も思っていたよりも高くなっていて、中3からの高校継続は今年度は100%と自己ベストでした。小学生から中学生になるとき、中学生から高校生になるときに教材も教室も変わらないので、心理的ハードルが低いんだと思います。
―― そうは言っても高校継続率100%はすごいです。何が秘訣なのでしょうか。
継続のためというよりも「生徒さんのためになることをしよう」と考えて接することだと思っています。1つ1つのアクションが、全て繋がっているように思います。
例えばテストや模試の後には、面談を必ず行うようにしています。結果を振り返り、夢について語り、次回に向けての行動を整理します。他には生徒さんの様子を見ながら判断しています。時間は生徒さんによって変えており、時には1人の生徒さんと3日連続で進路について語ることもあります。
大学や入試方式を紹介することで火が付く生徒さんもいます。ずっとスポーツを頑張ってきた高3の生徒さんがいまして、ある大学の総合型入試を案内したところ、興味を持ってくれて学習量がぐっと伸びました。「いつもはお風呂に入った後はYouTubeを観ていたのですが、提案してもらってからは大学について調べるようになりました」と言ってくれました。学習時間は塾内の学習ランキング3位まであがりました。
こういった生徒さんは教室を良い雰囲気にしてくれます。低学年の生徒さんも同じ空間で学習に集中していってくれます。勉強するのが当たり前って空気なんですよね。私も高校生との会話の最後は「うん、そうなんだね、じゃあ勉強して」と言って終わっています(笑)。そういった空気を中学生も感じているので「高校生になると大変なんだ、勉強しなきゃいけないんだ」ということを肌で感じていて「高校受験も終わったし塾は辞めて一息つこう」とは思わないんですよね。
このようにきっかけを提供することで生徒さんの意識も行動が変わって、他の生徒さんにも伝播していく。そんな空間を作れることが教室長としてのやりがいの1つです。そんな空間があるからこそ、進学して通う学校が変わっても自然とDreavenに通い続けてくれるのだと思います。
生徒さんにお伝えになっていることの例(ガイダンスの資料より)
―― 保護者の方々との面談はどのように行っているのでしょうか。
保護者の方々からはいつでもLINEで予約をとってもらえるようにしています。こちらからも基本的にはLINEで連絡とってから面談やお電話をするようにしています。お仕事をされている保護者の方々も多いですし、私も効果的に時間を使いたいのでこのようにしています。
保護者の方々向けのメッセージ(こちらもガイダンス資料より)
「何が生徒さん達のためになるのか?」ということだけを考えて、日々仕事。生徒さん一人ひとりと長く関われることができ成長を実感できるのが、このモデルで指導できる幸せ。
―― 面談に使う時間も多くなりそうですね。どのように捻出されていらっしゃるのか、Dreavenでの指導でやりがいを感じている部分を教えてください。
1日中面談だったな、なんていうこともよくあります。私が面談できるのも、講師が授業を担当できるからです。講師にも生徒さんと同じようにDreavenの理念を理解してもらうことが何より大事ですし、熱意を持って接しています。
EdTechを使うことでティーチングに使う時間を減らせるからこそ、思考したり、勉強したり、伝えたりすることに私の時間を費やすことが出来ます。ティーチングをしながらこれをやれと言われたら間違いなく無理だと思います。「何が生徒さん達のためになるのか?」ということだけを考えて、日々仕事できます。生徒さん一人ひとりと長く関わることができ、生徒さんの成長を実感できるこのモデルで指導できて、本当に幸せだなと思っています。
今ではこんなことを話せるようになっていますが、高校生の時の私が今の私を見たらきっと驚くと思います(笑)。元々ピアノ関係で音大に行きたいと思っていたのです。それが高校生の時に家庭の事情やケガで音大への進学を断念しました。そこで人生の目標が無くなり、やさぐれてしまっていました。大学も妥協して選んで、入学後もはっきりとした目標を持てずに「このままでいいのかな」と思いながら生活していました。
そんなある日に、友人が「うちの塾で講師を募集しているよ」と誘われて塾講師を始めました。塾に通っていた経験も無かったのですが「大人が本気で生徒さん達のことを考えている姿とか、社員同士も生徒さんともバチバチぶつかる姿をみて、人生って面白いな、教育って面白いな」って思えたのです。大学1年生から始めて卒業まで働き「教育で社会に貢献していこう」と考えて、そのまま塾に就職しました。あの時声をかけてくれた友人、教育の面白さを教えてくれた当時の教室には心から感謝しています。
―― 都丸教室長にもそのような背景があったのですね。それでは、最後に今後のDreavenの展望をお聞かせください。
新ブランドとして立ち上げ、コロナ禍もありましたが、生徒さん保護者の方々からも評価していただき、収支も十分成り立つことも分かりました。これからは校舎拡大を考えていきたいと話しています。
このモデルは生徒さんとも講師とも接する「教室長」がとてもとても大切になります。後輩の育成も進んでいますし、これからの展開を楽しみにしています。
生徒さんインタビュー①
サッカークラブチームに所属しながら日々の学習習慣を高いレベルで実現し続けている
中学3年生のM さん(Dreaven には小6 から通塾中)
―― 学習データを拝見すると毎週4日くらいログインされています。長い日だと100分、短い日でも30分くらいですね。とても一生懸命勉強されていると思うのですが、その理由を教えてください。
都丸先生や親から勉強の大切さを教えてもらって、シンプルに影響を受けて、頑張らなきゃなと思っています。
―― Mさんが考える「勉強の大切さ」とはどんなことでしょうか?
単に学校のテストで良い点を取るだけではなく、この先どんな仕事をするか分からないので、何かに向かって頑張ることが大切さだと思っています。
僕が通い始めたのは小6からで、小6の頃はあまり勉強という認識ではなくて。勉強だと最初に意識したのが中1で、更に強く意識したのが中3の受験勉強を考えるようになってからです。量もありますが、難しさもあがり、受験についての話題が多くなって勉強について考える時間が増えました。受験勉強は大変ですが「自分の人生のために頑張っているんだな」と思っています。
勉強以外にも、友達と遊ぶのも好きですし、サッカーのクラブチームにも所属しています。
―― クラブチームに所属されているのですね。そんな中、Mさんは毎週4,5時間atama+で勉強しています。クラブチームのサッカーを続けながら今の学習習慣を維持しているのはスゴイですね。
中1の時からこのペースです。
クラブチームの練習がある日は、平日は4:00前に学校が終わるので、帰宅して4:30~5:20までatama+をやって、5:40に家を出てサッカーの練習に行きます。
土日は練習や試合があります。練習や試合の始まる前や後にDreavenに来て2時間ほど勉強できる日もあります。
クラブチームでをやらせてもらっていて、親に感謝もしていますし、だからこそ受験も頑張らないとなと良い意味でプレッシャーを感じています。
生徒さんインタビュー②
Dreaven で苦手を克服し、第一志望校に合格した後もコツコツ学習を継続している
高校1年生のMさん(Dreavenには中2から通塾中)
―― 中学2年生からお通いになられて成績が向上されていらっしゃるとお聞きしています。ご自身が「伸びた」と実感された時のことをお聞かせいただけますか?
最初は苦手な単元を中心に、講義を観て、演習してという学習を不安な気持ちもありながら進めていました。「自分の苦手がこれで出来るようになるのかな」と。ですが、1問でも間違わないように意識して学習することを2か月3か月続けていると、だんだん新しい単元でも基礎知識が積み上がってきました。そしてある時「学校の授業がスムーズに理解できるようになった」のです。この日のことははっきりと覚えています。
―― 今でもその時のことを覚えているのは凄いことですね
中2の時は数学と理科が本当に苦手でした。それが、中3になって一気に分かるようになったんです。実は、atama+で中1、中2の範囲がたくさん出てきて、それの効果があったんだろうなと思います。友達に褒められたんですよ。「中1中2の内容なんて、よく覚えているね」って。
わざわざ復習をしたわけではないのに、復習すべきところを学習出来ていたんだなと思って「atama+スゴっ」って思いました(笑)。
―― そうは言っても、過去の範囲を学習することに焦りはありませんでしたか?
基礎の大切さが気付くことができた今でこそ、過去の範囲を学習することに全く焦ったり不安になったりすることはありませんが、はじめはありました!「やりたくないな」と。用語も公式も忘れていたり、全然分からなかったり。その時期は都丸先生に「基礎大事だよ」と言ってもらって、とにかく都丸先生の言葉を信じました(笑)。Dreavenで学習して、家帰って学習して、を繰り返しました。
―― 都丸先生のことをそんなに信じられたのはなぜですか?
私は自分で計画が本当に苦手で、やろうと思っても優先順位を決められませんでした。Dreavenに入ってからは、都丸先生が一緒に計画を立てて、進める時に相談に乗ってくれました。先生のお陰で順調に進められたんです。そうしたらテストも伸びて。そこで「都丸先生~~~!すごい~!」となりました。その後高校受験も一緒に乗り越えたので、信頼しかないです。
―― 都丸先生から見てどのような状態だったのですか?
都丸教室長より)「生徒さんの根底にある問題は何なのか?」ということをいつも意識しています。Mさんのような「やる気が凄くあるんだけど、やりたいことがありすぎてしまって空回りしてしまうタイプ」もいますし、「やる気が出ないことに悩んでいるタイプ」もいます。「勉強方法が間違っているタイプ」、「やる気はあるのだけれども部活などで時間が無いタイプ」もいます。1人1人が抱えている問題を見つけて、私ができることを考えて提供しています。
生徒さんが考えている「簡単に点数があがる方法」とは違う道を示すことになる時もあるのですが、そんな時は生徒さんには「私、定期テストの指導するの何回目だと思う?大丈夫だから」と話しかけています。信じてもらうことも必要ですよね。
―― ではMさんが頑張り続けている理由を教えてください。
都丸先生のことを信頼していて。都丸先生が高校生だった頃に後悔した話とともに、「高校生になる春休みで差がつくんだよ」という話をしてくれたんですね。そこで「私も頑張らないと」と思ったんです。
勉強出来て悪いことないなって、勉強できなくて後悔することはあっても、勉強できて後悔することってないと思うんですよね。「こんな問題解けるんだ」「こんなことも覚えているんだ」って友達から言われる瞬間が好きなのもあります。
Dreavenに寄せられた生徒さん保護者の方々からのお声
編集後記
当シリーズも7回目の記事作成となりました。今までの記事では経営者や事業責任者の皆様のお話をメインとしてまいりましたが、今回は都丸教室長にフォーカスさせていただきました。コロナ禍での新規ブランド立ち上げというご苦労も多い中、現在は生徒さん保護者の方々の皆様からの高い満足度を背景に、口コミ経由での新規生徒さん増や、非常に高い継続率を実現されております。
その背景をお伺いしてみると、都丸教室長が「生徒さんのためになりたい」という強いお気持ちで常に本気で生徒さんに接していらっしゃるのだということがとても良く分かりました。例えば、様々な勉強会に出席されるなどアンテナを張り、豊富な情報を元にご自身で資料作成をしたガイダンスで語っている点など、「これを生徒さんに伝えたい」という強いお気持ちがあってこそ、と感じました。どのような勉強会に参加されているか教えていただいたのですが、先日はある英語の先生の勉強会にも参加されていたそうです。
記事本文中には書ききれなかったのですが、校舎のブログ(note)も高頻度で投稿され続けており、こちらでも日頃、どんな気持ちで指導されているのかが分かります。生徒さんとのインタビューでも「都丸先生に○○という話を教えてもらったので」という発言を何度もお聞きしました。
EdTechを使うことで、1名の教室長が複数学年・複数教科を学習する生徒さんたちと深く関われるようになりました。EdTechと聞くとテクノロジーに目が行きがちですが、実は教室長さんのエネルギーや色が生徒さんに強く伝わっていく教育の原点ともいえる関係性に回帰しているのだと感じています。
PDF版ダウンロード:第27回 教育最前線 -国内の塾におけるEdTech の価値事例「俊英館Dreaven」編- 第30回 教育最前線 – 国内の塾における EdTech の価値事例「生徒インタビュー」編「中学内容を先取りする小学生」
- 第29回教育最前線 – 国内の塾におけるEdTech の価値事例「次世代型個別指導 おがわ塾」編「教員歴36 年の豊富な経験から各生徒にとって心地いい学習を提供し自学力を育む」
- 第28回教育最前線 – 国内の塾におけるEdTech の価値事例「進学塾 MUGEN」編「無限の可能性を引き出し、夢を実現する」
- 第27回教育最前線 – 国内の塾におけるEdTech の価値事例「俊英館Dreaven」編
- 第26回教育最前線 – 国内の塾における EdTech の価値事例「生徒インタビュー」編「高校内容を先取りする中学生3」
- 第25回教育最前線 – 国内の塾における EdTech の価値事例「練成会PLUS」編
- 第24回教育最前線 – 国内の塾におけるEdTechの価値事例「生徒インタビュー」編「高校内容を先取りする中学生2」
- 第23回 教育最前線 – 国内の塾におけるEdTech の価値事例「寺小屋グループ」編
- 第22回教育最前線 – 国内の塾における EdTech の価値事例「生徒インタビュー」編「高校内容を先取りする中学生」
- 第21回 教育最前線 – 国内の塾における EdTech の価値事例「M 進(岩手県)」編
- 第20回教育最前線 – 国内の塾におけるEdTechの価値事例「練成会グループ 3.14コミュニティ」編
- 第19回SXSW EDU 2022参加レポート
- 第18回教育最前線 – 国内の塾におけるEdTechの価値事例「野田塾」編
- 第17回atama+ EdTech研究所主催 報道関係者向けセミナーレポート
- 第16回教育最前線 – 国内の塾におけるEdTechの価値事例 「超個別指導塾まつがく」編
- 第15回グローバルEdTechユニコーン28社まとめ
- 第14回教育におけるCBTの活用状況と今後
- 第13回2020年上期にユニコーンになったEdTech系企業4社
- 第12回 教育機関におけるオンライン試験の変遷と現状
- 第11回 OECD調査に基づく諸外国のEdTech環境調査まとめ