第16回 学習効率の実態 1日の休憩編
はじめに
第11回から第14回のレポートでは学習効率について調査し、同じ学習時間でも学習頻度や曜日を意識することによって学習効率は高められることを明らかにした。
読者の方々から、学習効率について休憩をこまめにとることでも学習効率を高められないか、というお声をお聞きし、今回は学習効率について、休憩に焦点を当てて調査をしていく。
学習効率に関する実態
atama+では、学習の到達度に加えて、学習時間、学習日数、取り組んでいる教材などの学習プロセスを把握することができる。
この仕組みを生かし休憩と学習効率の関係についてみていくため、今回は、atama+上のデータのうち、ログイン回数に着目した。もちろんログイン回数自体は厳密に休憩をしていることを示すものではないが、1日の中で複数回ログインしているということは、隙間時間の学習のためのログインや、間に休憩を取りながら、学習再開時に再度ログインしている学習実態を推測できるからである。
今回は2022年度にatama+で学習した中学生(全教科)のデータを用いて調査をしていく。
ログイン回数が多いほど、学習効率が高い傾向に
調査の結果、ログイン回数が多いほど、学習効率が高い傾向が明らかになった。
以下の図にログイン回数1回の平均を基準(=100%)として、ログイン回数ごとに学習効率を表示した。最も学習効率が高いのが5回以上ログインしているグループであり、ログイン回数1回のグループに比べると効率が39%pt高いことが分かった。
ログイン回数が多くなればなるほど効率が高くなるが、その効率の上昇幅が最も大きいのはログイン回数2回のグループであり、ログイン回数1回のグループと比較すると、19%pt差がある。また、その上昇幅自体は徐々に小さくなっていく。
ログイン回数の分布についてみてみると今回の抽出条件では、58%がログイン回数1回であることが分かった。
学習目標により効率的に到達するために
ログイン回数自体は厳密に休憩をしていることを示すものではないが、1日の中で複数回ログインしているということは、隙間時間のログインや、休憩を取りながら、学習再開時に再度ログインしている学習実態が推測される。
限られた時間で効率よく学習をしていくためには、1日の中でも休憩を取りながら、こまめに学習していくことが望ましいであろう。
EdTechを活用することで、一人ひとりの学習状況が可視化され、指導がしやすくなる。本稿がより良い指導に向けた一助になれば幸いである。
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