第6回単語を覚えるまでの時間は3倍の開き! 英単語の習得に関する実態

はじめに

前回の記事では、中学社会について覚えたことをどれくらいのペースで忘れてしまうのかについて明らかにした。

読者の方々から、同じく暗記が重要な英単語について「英単語を覚えきれる生徒と覚えきれない生徒がいる」「どのくらい学習すると良いのか、伝え方に迷っている」というお声をいただいた。

英単語の指導を考えるうえで、まずは定着までにかかる時間と、生徒による時間のばらつきを明らかにしたい。


英単語の定着に関する実態

atama+の英単語学習では一人ひとりの理解度をAIが診断し、ある単元の英単語を習得していると判断すると「金メダル」が取得できる。この仕組みを用いて、atama+英単語で金メダルを取得した生徒・単元をランダムに抽出し、金メダル取得するまでの学習時間について分析した。




英単語の習得にかかる時間は3倍の開き

調査の結果、金メダル1つ分(=英単語約10単語)を習得するためには、速い生徒で6.6分、ゆっくりな生徒で19.4分必要であり、かかる時間の差は約3倍であることが分かった。

例えば、10人生徒がいるとする。

速い生徒が1時間で習得する内容をゆっくりな生徒は約3時間かけて習得することになる。

今回は、習得が速い順に20%、50%、80%の値を代表値とした。実際のクラスにおいてはもっと短時間で習得する生徒もいれば、もっと時間がかかる生徒もいるはずだ。そのため、習得にかかる時間の開きは3倍よりも大きいと考えられる。



一人ひとりにあった暗記をいかに支援するか

新しい学習指導要領では、学ぶ英単語が中学・高校合わせて最大で1,300語増える。英単語は読解やリスニングの土台になることから、英単語の学習はより一層重要になる。

上記の通り、習得にかかる時間は速い生徒とゆっくりな生徒で3倍の差があることから、一人ひとりのペースに合わせ、定着までフォローしていくことが大切だ。 

本稿が指導を検討する上での参考になれば幸いである。


調査概要

調査概要
対象期間:2022/4/5~2022/5/12
調査対象:atama+英単語で金メダルを取得したユーザー約15,000人をランダムに抽出
調査手法:「金メダル」取得を習得と定義し、金メダルを取得した生徒・単元について、金メダル取得にかかる時間を速い順から20%の値、50%の値、80%の値を抽出

第6回学習データレポート(PDF)
2022年6月15日